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Kizoku single review

皇国の守護者 / 原作:佐藤大輔 漫画:伊藤悠

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ウルトラジャンプ / 集英社
2005-2008年
全5巻

龍という人より上位の存在がいて、人と龍が<大協約>を結んで暮らすファンタジー世界。
白人の容貌で描かれる<帝国>が世界を大きく占め、日本人の容貌で描かれる<皇国>という小国が攻め込まれてしまう。
主人公は皇国の軍人でサーベルタイガーを手足として使う隊の中隊長。
 
文明はやや昔のレベルで蒸気船が珍しく鉄砲も一度打ったら火薬を込めなおさいといけないような世界。
 
こういった世界で主人公は敗戦処理を任されてしまい、この絶望的な状況をどうやって活路を見いだすのか。
 
 
 
名称未設定.jpgファンタジーな世界なんだけど龍が攻撃してくれるわけでもなく、サーベルタイガーが無敵なわけでもなく、戦術によってどうにか戦っていく展開が面白い。
また主人公も難物で戦の才はあるけれども小胆で迷い悩み自己嫌悪しながら隊を率いていくのが実に魅力的。
さらに絵も迫力があって船が荒波に飲まれるところや、白兵戦の乱れるところや、サーベルタイガーの荒々しさがよく書けてて、これは小説の方が楽なのではと思ってしまうくらい。
 
戦争ものらしく言葉が難しいのと打ちきりになってしまったのが残念だけど、一級品の娯楽ものです。
 
 

ノノノノ / 岡本倫

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ヤングジャンプ / 集英社
2008年-
1-2巻
 
H×Hの冨樫が1巻の帯を書いたことで有名な作品です。
有名ではないかもしれません。
 
一見萌え漫画で、まぁ萌え展開もあるわけなんですけど
これはコメディ漫画として見るのが正しいと思います。
淡々とばかばかしい展開が転がって行くのが楽しいんです。
死んだ双子の兄になりすまして妹がスキージャンパーとしてオリンピックを目指すんですが、
女が近寄るとじんましんのでるライバルが現れ、寮に入ったらホモの先輩に夜ばいされ、部活に入るとアナルショップと呼ばれるとぶち切れる尻屋先輩(アフロ)が現れ盗撮を命じられ、という感じです。
展開でストーリーをかき回すだけでなく、ジャンプのときに亡霊を見ないためにゴンドラに乗る時からヘルメットを前後逆にかぶって行く、みたいなシュールなギャグもあります。
さらっと読める面白い漫画です。
 

嘘喰い / 迫稔雄

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ヤングジャンプ / 集英社
2006年-
1-7巻 
 
世の中は暴力とギャンブルだ!と言うことで
世の裏で様々な賭け事を仕切り、負け分は必ず回収する賭郎という組織。
ギャンブル相手も賭郎もものすごい暴力を使うのですがこれに向かうのは
体力ゼロでカリカリ梅大好きの天才ギャンブラー斑目獏、そしてキモ冴えてる一般人の梶君。
ギャンブルは当然のこと、さらに暴力にどうやって勝っていくのか。
脳噛ネウロと同じで謎解き漫画じゃなくて荒唐無稽なノリを楽しむ漫画です。
とりあえず相手は絶対イカサマしてきくるのね。
主人公がそれを打破するときにきちんとトリックや状況の説明はしてくれるんですけど
usokuipic.jpgそれがきっちり常識のちょっと外を行っているというバランスが素晴らしい。
あと絵の構図や迫力が独特で引き付けられるのもいいですね。
暴力シーンや名台詞のシーンは流し読みしていい感じで狂ってるところを楽しむ漫画です。
 

魔女 / 五十嵐大介

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世界各地の様々な魔女にまつわるショートストーリーを集めた短編集。
バザールを破壊しようとする魔女とそれを防ぐべくやってきた伝言者、熱帯雨林を白人から守る呪術師、無機物を生物に変えてしまう石に立ち向かう魔女、生まれ変わりの島を目指す生き甲斐を持たない女子高生、などが伝承や神話をのような物語のようにSONYや軍隊やミサイルの出てくる現代で描かれます。
最初の方が絵がラフなのかなと思ってたけど、粗いだなんてとんでもなかった。
とんでもなく緻密で精彩な絵を描く人だった。
魔法を使えるようになった少年がiloveyouを魔法で描くシーンや、密林に入った軍隊に精霊たちを見せるシーンなどは鳥肌が立つほどの緻密で圧倒的な迫力。
魔女たちは「世界を言葉で切り取らずあるまがままに見る、言葉を知りながらそれを棄てることができる」と言い、言葉によって有限の世界に縛られてしまう僕らとはそこが違うとのことですが、この魔女たちが人間に吐く言葉が素晴らしいんですね。
そしてこの言葉に依らない無限の世界というのをこの作者は絵で描いてしまうんです。
イメージの世界について描きあげることができる作者の画力とイマジネーションはすごくて、さらにこの世界観とストーリテリングによって傑作となってます。
 
ネットカフェでなにげに手に取ったこの漫画が大当たりで、眠い中一気に読んでしまった。
BSマンガ夜話でもテーマにも挙げられてたようなので、どこかで探して見てください。
 

20世紀少年 / 浦沢直樹

 
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ビッグコミックスピリッツ / 小学館
1999年-2006年
全22巻 + α 
 
いやー、スケールがでかかった。
でも・・これって、面白いのかな?
テーマは最高だよね。
少年の頃の空想が主人公が大人になった時にリアルに目の前に現れる。
そしてその空想(予言)は世界を滅亡の淵にまで追い込むものであり、世界を救うべく世間に誤解されながらも敵と戦い奮闘していく。
酒屋の息子という普通の主人公がどうやって防ぐのか、「ともだち」とは誰なのか、ほんとうに超能力は使えるのか、忘れていた少年時代にどんな秘密が隠されているのか。わくわくするよね。
全体の雰囲気とか、神父やラーメン屋などの単発エピソードとか素晴らしいのよ。
 
 
20centpic.pngでも、筋がさっぱりわからん。一気読みしたのにわからん。
謎が解決していかないし、意味が分からないことがでてくるし、人物の行動原理が理解できない。
二足歩行で巨大化するのは無理だと工学的な話をしておきながら、近将来では説明もなく円盤が空飛ぶし。
少年時代を模したバーチャルアトラクションも人工頭脳なのかっていうくらいバーチャル世界の住人に現実世界の住人が干渉してるし、干渉によってバーチャルアトラクション内の史実が変わってくるもの。いっそのこと何かのはずみでタイムマシンができたことにすればいいのに。
 
と言うことで、雰囲気とエピソードを楽しむ漫画と思えばいいです。
推理したり謎解きしないでおきましょう。
「ともだち」の正体は誰なのかなんて気にしないでいきましょう。
 
 
 

バジリスク / 山田風太郎 × せがわまさき

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ヤングマガジン アッパーズ / 講談社
2003年-2004年
全5巻 
 
NARUTOが小学生向け忍者漫画としたらこちらは高校生向け忍者漫画
山田風太郎という有名な忍者漫画作家が原作です。
50年前でこの話はすごいねそりゃあ古典になるわ。しかもバトル物の元祖だそうで。
話の筋はNARUTOのように一芸に秀でた忍者たちが10対10で戦います。
開戦されたのを知らない相手に襲撃をかけたり、だまし討ちをしたりと卑怯なところが忍者らしくてよいですね。
NARUTOとか忍者なのに一対一で正面からガチンコ勝負しかしてないですもんね。
でも、こっちも相手の得意攻撃を不用心に受け過ぎ。
捕えたクノイチを犯しに行って、相手の一撃必殺技をくらってやっつけられるとか忍者の風上にもおけないのでは。
相手の長所を出させずに勝つ。みたいな最近のスポーツ的戦略で戦えばいいのに。
とか言ったら必殺技がでなくて話が盛り上がらないですよね。
痛快バトル漫画として楽しむのが正しい読み方やね。
絵はきれいでみんな忍者らしからぬ個性的なキャラクター付けされてるのですいすい読めます。
 
でもね、最終話がいいのよ。
竹千代派(伊賀)対国千代派(甲賀)で跡継ぎを懸けて戦ってるから史実的には竹千代(徳川家光)派が勝つかってのはみんな分かってる読んでるはずなのね。
そして主人公はタイトル通り甲賀。
甲賀は勝つのか負けるのか、最後に残るべくして残った二人の哀しい戦いの結末はとても印象に残ります。
 

HAL / あさりよしとお

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COMIC GUM / ワニブックス
2000年-2002年
全2巻 
 
学研かなんかで科学漫画を書いていたあさりよしとおのやっぱり科学漫画。
最近、おもしろい漫画を書いているという噂だったのでどれのことやらわからないけどとりあえずこの本を読んでみた。
みんな知ってるドップラー効果から知る人だけ知ってるシュレディンガーの猫などの科学話を書いてるんだけど、各話のページ数が少ないうえ知らない人に説明しつつ軽いストーリーを加えてオチをつけないといけないものだから、だいぶ科学的な部分がおざなりになってるね。
これちょっと間違ってない?と思ったら目次に「このマンガには一部に真実が含まれている場合があります」と書いてあるので狙ってやってるのか。
halpic.pngむしろ、ティラノサウルスは1970年代にはゴジラのように歩いていたが1990年代には尾を上げ前傾姿勢で歩くように「進化」した。この急激な進化が絶滅の原因だ。というような嘘ジョーク(「進化」じゃなくてメディアに出てきた恐竜の姿の変遷だろ、と読者は理解してつっこむところ)を結構交えてるので、このマンガの科学をそこそこ知ってる人がそういう風に楽しむものなのかな。
知らなかった話もそこそこあったけど信じていいのかわからないのは恐ろしいですね。

 

シュナの旅 / 宮崎駿

 
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アニメージュ文庫 / 徳間書店
1983年
全1巻
 
宮崎駿が1983年に書いた大人向け絵本。
昔々あるところに貧しく小さな王国がありました。
王国の王子様は民を貧しさから救うために豊穣の実を求めて、ひとり西へ旅立ちました。
とまぁ、絵本なわけです。
ただし、これは風の谷のナウシカの原作で、つまり宮崎駿ワールドな世界観の中を旅するわけです。
動物や風景などの自然、衣装や壁画などの文化の絵がきれいで独特。
シンプルな物語だけにきれいな絵がこの先どうなるんだというわくわく感をすごい刺激してくれる。
宮崎駿は大体こういう世界が滅びる少し前のような退廃的な世界を書きますよね。
shuna.pngそして豊かな自然の象徴としてたくさんの獣や虫を書くけど、絵が怖いよね。
主人公はさくさく進むけど、未知の世界や未知の生物が目の前に現れた時とか恐くて動けないよ。
どれが生命に危険を脅かして、何が正しい選択なのかわからないもん。
谷底が密雲に覆われた垂直の崖なんて降りないもん、謎の生物の横で昼寝しないもん、謎の実食べないもん。
でも、僕は動けなくてもシュナはどんどん進むわけで、神人の土地での理解を超えた世界での冒険が最もドキドキした。
月が人を吐いて、緑の巨人が光る水を撒き、金色の種は育つ。
本当に金色の種とはただの麦なのか。こんな麦を持って帰っても育てられるのか。
記憶や感情を失ないながらもなんとか神人の土地から帰ってきたシュナと少女が麦を育てる話まで語られてます。
いい話書くなぁ。
 
2008.03.19
 

貴族プロフィール

貴族 kizoku

 
 
IMGP1093.JPG1978年生まれ
電気屋さん
昔は少年ジャンプ大好きっ子。
今は立ち読みやネットカフェで評判よさそうなのを見てます。
漫画本は段ボール2箱分くらいあったけど引っ越しに伴い全て処分済み。
 
好きな漫画
「プラネテス」
「マスターキートン」
「大きく振りかぶって」
「火の鳥」
「ザ・ワールド・イズ・マイン」
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