漫画レビューサイト:MANGAHEAD(マンガヘッド)Single Review_Kutsuo

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not simple / オノ・ナツメ

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COMIC SEED! / ぺんぎん書房
2004年-2005年
全1巻

救いのない話だ。
不幸な生い立ちの少年が、成長していく過程でどんどん不幸を積み重ねていく。
とてもとても悲しい、読んでいて胸が苦しくなる話だ。

しかし淡々とした語り口と絵のためか、読後感は悪くなかった。
「嫌なものを見たな」という感情は全くなく、むしろオレも頑張って生きていこうという前向きな気持ちになった。
この感じはビョークの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観たときの感覚に近い。
ちなみに『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は3回観たが、1回目は貴族と2人っきりで行き、2人とも泣きじゃくり、見終わった後は会話を交わすこと無く解散した。
あれはなんだったんだろうか。

notsimple.pngパラパラと本をめくった感じでは「あーオシャレ系のマンガだな」と思うが(実際にフランス映画みたいでかなりオシャレな感じ)、じっくり読めばそれだけではないことにすぐに気づく。
時間軸を交差させた構成は見事だし(プロローグとエピローグにあのシーンを持ってくるなんてカッコよすぎ)、淡々とストーリーが進んでいく感じも心地よい。
独特なかわいらしい絵については好みが分かれるだろうが、この話にはこのくらいデフォルメされた絵じゃないとただの救いの無い話になってしまう。

なんて素晴らしい作品だろう。
家族が寝静まった深夜に寝室で一人で読みたい1冊。

2008.03.14

ヒカルの碁 / ほったゆみ × 小畑健


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週刊少年ジャンプ / 集英社
1998年-2003年
全23巻

ホントに今更なんだけど、ヒカルの碁は面白すぎないだろうか。
こんな面白いマンガがジャンプに連載されてたなんて今のジャンプからは考えられないな・・・(今のジャンプってすごいつまんないよね)。
hikarupic.jpgとにかく佐為が消えてしまう15巻までの展開は瞬きできないほどに面白く、一気に読めてしまう。
ちなみに僕は今、深夜にレビューを書いてるんだが、これはヒカルの碁を読むのが止まらなかったせいだ。
もう眠いのに、明日は6時起きなのに、それでも眠れないほど面白い。
ストーリーの面白さは言うまでもないが、それが小畑健の圧倒的な画力でもって描かれるわけであって、これはもうお手上げと言うしかない。
少年マンガということで甘く見られれている部分もあるのではないかと思うが、これはまぎれもなく歴史に残る名作だろう。

と、15巻まではそんな感じですんごい盛り上がって読んでたんだけど、佐為が消えてからは正直蛇足な感じが否めないかなと。
本当に描く必要があったんだろうか。
やっぱり17巻で終わるのが美しい終わり方だったんじゃないかなー。
ジャンプでもよくやるじゃん。
オレたちの本当の戦いはまだ始まったばかりだ・・・みたいな終わり方。
明らかに打ち切りって分かるようなあの伝統芸。
あれをこの作品でやりなさいよ、あーた。
この作品でやったらキレイな終わり方なのに。
まあ人気漫画の宿命ですね。

まあそれをさっ引いても名作であることに異論はありません。
17巻までなら間違いなく10点だったけど。


ちなみに劇中に出てくるコンピューターはすべてマックで、これみよがしにリンゴマークが描かれてます。
アップルの株主のくつ王としては実に喜ばしいことであります。

2008.02.15


NHKにようこそ! / 滝本竜彦 × 大岩ケンヂ


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月刊少年エース / 角川書店
2004年-2007年
全8巻

装丁が素敵だったので手に取ってみたんですが、すっかり騙されました。
内容はつまんないので説明しません。

つーかさ、こういう作品にはちゃんとそれなりの装丁をしてほしい。
これだとなんか面白そうじゃん。オシャレな感じだし。
漫☆画太郎を見習ってほしい。
あの装丁だったら誰が見ても「うんこ漫画」って分かるっしょ。
「うんこ漫画」なら「うんこ装丁」を。
これを今年のスローガンにしたいと思う。
各社徹底していただきたい(何様なんだ)。

2008.03.06

夕凪の街 桜の国 / こうの史代

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漫画アクション / 双葉社
2004年-2005年
全1巻

ヒロシマの原爆の話。
『夕凪の街』という原爆投下後10年経った広島の話と、『桜の国』というそれから20年くらい経った広島の話が収録されている。
どちらも原爆直後の話ではないが、間接的に原爆に苦しめられている人たちが登場する。
あの日から10年経った今も苦しむ主人公の

yuunagi.png「わかっているのは『死ねばいい』と 誰かに思われたということ 
思われたのに 生き延びているということ」

という心の声や、最後に白血病で死んでしまう直前の

「嬉しい?」
「十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て
『やった!またひとり殺せた』
とちゃんと思ってくれとる?」

という声にならない言葉やが読んでて非常に辛い。
いやーよくコレ描いたなー。
踏み込みまくってます、原爆に。ヒロシマに。
ちなみに僕らMANGAHEADZの多くは小倉出身なんだが、実は小倉って広島の次に原爆が落ちる予定のところやったんよね。
八幡製鉄所があったから。
でもその日天気が悪くて、目標が定められないから、仕方なく長崎に行ってしまったらしい。
そんなわけで、僕は生まれてなかったかもしれないんだが、それを思うと広島と長崎の方々には何といっていいか。
すいません、のうのうと私は生きています。
医者として一応社会貢献してますので許してください。


2008.03.14

預言者ピッピ / 地下沢中也


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コミックキュー / イースト・プレス
1999年-
1巻-

年に一度出るか出ないかのペースで出版されていたコミックキューで、唯一「コラボ」などの号毎のテーマを無視して連載されていた『予言者ピッピ』がついに単行本化された。
第1話の掲載が1999年なので、足掛け8年でようやく単行本化したことになる。
つーか、コミックキュー自体、Vol.300以降音沙汰無しなので、今後の連載がどうなるのかかなり不安なんですが。

地下沢中也というヒトは、元々ギャグ漫画を描いていたヒトで、今作はそんな彼が初めて挑んだシリアスなSFとして注目を集めた(一部で)。
そして、この『預言者ピッピ』があまりに面白いため、多くのヒトが「地下沢中也がこんなにすごいヤツだったなんて・・・」と彼の力量を改めて思い知らされた。

ギャグ漫画を描いていた漫画家がシリアスな漫画を描くことはそれほど珍しいことではない。
ただし、それが名作であるということはけっこう珍しいのではないだろうか。
『ついでにとんちんかん』を描いていたえんどコイチが『死神くん』という名作を描いていたことを知ったときは心から感服した。
古谷実は今ではギャグ漫画を描いてたこと自体が信じられないが、初めて『ヒミズ』を読んだときの衝撃は未だに忘れられない。
そして地下沢中也というヒトもその系譜に名を刻むことになるだろう。
こういう作家は、ノリや閃きだけでギャグを描いている連中と違って、緻密な計算の上でギャグを描いているクレバーなヒトが多い。
そのアレでいくと、うすた京介もこの範疇に入ると思われる。
なのでおそらく、近い将来うすた京介もストーリー漫画を描くだろう(預言)。それも、とんでもない大傑作を(まあこれは願望ですが)。

話が逸れたけど、『預言者ピッピ』は預言者のピッピがいろいろ預言する漫画です(テキトーな説明)。
とにかく御一読を。

2008.03.17

くつ王 プロフィール

くつ王 kutsuo


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くつ王
MANGAHEAD管理人。
1978年12月7日生まれの29歳。
某大学病院救命センターで働く医師。
好きなものは日本庭園とマッキントッシュ。

好きな漫画:
『青い車』よしもとよしとも
『ピンポン』松本大洋
『ヒミズ』古谷実
『ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹
『七夕の国』岩明均
aoikuruma.pngpingpong.pnghimizu.jpgworldismine.pngtanabataface.jpg

追いかけてる連載中の漫画
『宇宙兄弟』小山宙哉 / モーニング
『働きマン』安野モヨコ / モーニング
『へうげもの』山田芳裕 / モーニング
『きのう何食べた?』よしながふみ / モーニング
『大きく振りかぶって』ひぐちアサ / アフタヌーン
『ヒストリエ』岩明均 / アフタヌーン
『ヴィンランド・サガ』幸村誠 / アフタヌーン
『Gantz』奥浩哉 / ヤングジャンプ
『ハチワンダイバー』柴田ヨクサル / ヤングジャンプ
『おやすみプンプン』浅野いにお / ヤングサンデー
『3月のライオン』羽海野チカ / ヤングアニマル
『もやしもん』石川雅之 / イブニング
『Hunter×Hunter』富樫義博 / 少年ジャンプ
『ピューと吹く!ジャガー』うすた京介 / 少年ジャンプ
『竹光侍』松本大洋 / ビッグコミックスピリッツ
『キーチvs』新井英樹 / ビッグコミックスペリオール
『海獣の子供』五十嵐大介 / IKKI
『預言者ピッピ』地下沢中也 / コミックキュー