漫画レビューサイト:MANGAHEAD(マンガヘッド)Single Review_Kutsuo

kutsuologo.png

Kutsuo Review1a.png2a.png3a.png4a.png5a.png6a.png7a.png

おやすみなさい / 小田原ドラゴン

おやすみなさい.jpg8.png
週刊ヤングマガジン / 講談社
1999年-
1-5巻

誰がなんと言おうと、オレは『おやすみなさい』が好きだ。
つーか大好きだー!

これは、簡単に言うとミラーボール工場で働く月収14万の童貞が、キャバクラにはまったり、クソ高い冷蔵庫を買わされたり、ねずみ講のカモにされたり、テレクラの伝説になったり、官能小説家になったりするという童貞一代絵巻なんですが、まあハッキリ言ってしょ〜もないマンガです。
oyasuminasai.png
しかし、ここには引きこもりだった作者の積もり積もった妄想が炸裂してて、中学生のような甘酸っぱいバカバカしさがあるんよね。
同じく中学生的妄想が炸裂したマンガとして『すごいよ!マサルさん』が挙げられるが、『マサルさん』が中学生的妄想から主にエロ以外のバカバカしい部分を中心に抽出した作品だったのに対し、『おやすみなさい』はエロ(というか童貞魂)を中心に抽出しているとは言えないだろうか。
これはおそらくそのままそれぞれ作者の頭の中を反映しているのだろう。
いわばこの2つの作品は2つで1つとなる兄弟のような作品なのではないだろうか(絶対言い過ぎ)。

経済大国から没落した日本が生んだ童貞マンガの金字塔。
悶々とした童貞中学生は童貞を捨てる前にぜひ一度『おやすみなさい』を読んでほしい。

2008.03.21

クロスゲーム / あだち充

クロスゲーム Cross Game

crossgameface.jpg6.png
週刊少年サンデー / 小学館
2005年-
1-11巻

はじめに断っておくが、僕は大のあだち充ファンである。
むしろ「あだち充原理主義者」である。
つーか私は「あだち充=村上春樹説」を唱えるものである。
そう、彼が描くのはいつでも喪失と再生であり、そのテーマは村上春樹と丸かぶりなんである。
徹底したシニシズムも似てるんである。
ま、あだち充が描くのは常に思春期の少年少女であり、そこが両者の大きな違いだろう。

他にも、あだち充には「近親相姦」というテーマがあるが、こちらは彼の抱える病であり、そこは放っておいてあげたい(個人的には、こちらには全く興味はない)。

で、本作「クロスゲーム」。
あだち充がまた野球漫画を描き始めたと聞いたときは頭が痛くなった。
今更まだ野球を描く気か、と。
そして、実際に漫画を読んでますます頭が痛くなった。
いや、頭痛というより目眩という方が正しい。
ちょうどデジャブを見たときのような目眩。
事故によって幼くして亡くなってしまう幼なじみ。
「即席二軍チーム 対 金で集められた精鋭の一軍」という構図。
H2の木根と丸かぶりのキャラクター。
いつもと同じ顔の主人公。
どこをどう見ても「あだち充の野球漫画」だこれは。
これまでのあだち充漫画を切り貼りして作っても同じ作品ができるんじゃないだろうか。
ここまでいくと、あだち充による「あだち充のパロディー漫画」を読んでるような変な気分になってくる。

crossgamepic.pngまあしかし、ひとつの漫画として読んだときにどうかと言うと、これがなかなか面白いんだな。
既視感を感じるだけでなく、今後の展開も完全に読めるんだが、それでも面白い。
これはもうなんというか、それだけ作者の漫画家としての力量が桁違いということなのだろう。
そして、あだち充の抱えた闇というテーマで読むと、非常に読み応えがある漫画です。

でももういいかげんそろそろあだち充の転換作となるような作品が読みたいな。
そのためにも是非この作品でケリをつけてほしい。

ま、結局どんな作品であれ読むんですけども。

2008.3.11

デトロイト・メタル・シティ / 若杉公徳

dmc.jpg2.png
ヤングアニマル / 白泉社
2005年-
1-5巻

「このマンガがすごい」という本の1位を獲得した作品ということで、かなり期待して読んだんだが・・・。
うーむ、おかしい・・・。
コレはいかんともしがたく、つまんないじゃないか・・・。
「すごく面白くないマンガ」の1位の間違いじゃないのか・・・。
オレの感性がおかしいのか・・・。

話は、おとなしい青年が何故かデスメタルをやらせられる、ってうのが大まかな内容です。
なんか「エンジェル伝説」を思い出しましたけど。
一応ギャグ漫画ってことなんだろうけど、全く笑えないんよねコレが。
ま、ギャグ漫画って相性の問題が一番大きいからなー。
僕にはムリです。
5巻までの『ピューと吹く!ジャガー』を10点とするとコレくらいしか付けれません。
新しいところも全くありません。

思うにこのマンガを見て「超ウケるー」とか言ってる連中は、たぶん「エンタの神様」を見て超ウケてる連中なんでしょうね。
にしおかすみことかが好きな連中なんでしょう。
おまえら一生超ウケてろって感じでしょうか。
オレは一足先に行くぜって感じでしょうか。

2008.03.13

へうげもの / 山田芳裕

hyougemono.jpg7.png
モーニング / 講談社
2005年-
1-5巻

山田芳裕の絵は苦手だった。
度胸星もヤンサンで読んでたんだが、話は面白くても絵がちょっとキツくてのめり込めなかった。

しかし、今作の「へうげもの」には線が太くてコクのある表情の山田芳裕の絵がしっくり来る。
戦国時代の織田信長の家臣・古田佐介という全く聞いたことのない人物が主人公なんだが(このヒトって実在したんでしょうか?)、ただの「戦国もの」ではない作品に仕上げている。
作者の戦国時代の独自の解釈も面白い(たとえば作中では、本能寺の変を仕組んだのは豊臣秀吉と千利休ということになっている)んだが、他の戦国マンガと一線を画する最大のポイントは戦国時代に「名物」という新たな価値観を持ってきたところだろう。
もちろんこれは「新たな」と表現されるべきではなく、当時の戦国時代の武将たちにとって当然のように重要なことだったに違いない。
古田佐介のように茶入れや陶器に夢中だったコレクター武将も多くいたことだろう。
戦国時代の武将だって、年がら年中戦っていたわけじゃない。
いつの時代も物欲って抗えないものよね。

heugemono.pngしかし劇中ではもう死んでしまったが、信長の生き様もとても良かった。
明智光秀も、普通に学校の授業受けてたら「とんでもない裏切り者」みたいな扱いだけど、へうげものの明智は好感が持てたな。

2008.03.13

ボーイズ・オン・ザ・ラン / 花沢健吾

boysontherun.jpg6.png
ビッグコミックスピリッツ / 小学館
2005年-
1-8巻

ある雑誌で作者が『宮本から君へ』をフェイバリットマンガに挙げていたのを見て、「あーオレもオレもー」と思い、気になって読んでみた。
読んでみたら、あまりにもストレートすぎて驚いた。
これは完全に『宮本から君へ』へのオマージュ(意味は分かりません)だろう。
まあほとんどパクリと紙一重なんだが、『宮本から君へ』ヘの愛を感じるという意味でオマージュ(意味は分かりません)と言いたい。
小さな会社のしがない会社員という設定も近いし、女のために強い男と戦ってボコボコにやられるというのも同じ展開だ。

boyson.png本作の主人公が宮本と違うのは、そのヘタレ具合だろう。
何をやっても長続きしない。
好きな女の子の前でチンピラにボコボコにされる。
ようやく付き合えそうな彼女の部屋の隣で風俗嬢に抜かれてるところを見られてフラれる。
決闘を申し込んでおいてボコボコに負ける(宮本の場合はちゃんと決闘で勝っちゃったもんな・・・)。
うーむ、まるで自分を見るようだ・・・。

miyamoto.pngと、なんだかんだ言ってけっこう夢中で読んじゃいました。
男子は自分に重ねて読むと熱くなれます。
今後の展開にも期待っていうか。
でもボクシングはしない方がいいんじゃないかなー。

ただ、作者は『宮本から君へ』を「主人公が作者の都合で動いてくれないマンガ」と評していたけど、まだこのマンガの主人公は作者の手の中にあるような気がします。

2008.3.11

くつ王 プロフィール

くつ王 kutsuo


mochaabout.jpg

くつ王
MANGAHEAD管理人。
1978年12月7日生まれの29歳。
某大学病院救命センターで働く医師。
好きなものは日本庭園とマッキントッシュ。

好きな漫画:
『青い車』よしもとよしとも
『ピンポン』松本大洋
『ヒミズ』古谷実
『ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹
『七夕の国』岩明均
aoikuruma.pngpingpong.pnghimizu.jpgworldismine.pngtanabataface.jpg

追いかけてる連載中の漫画
『宇宙兄弟』小山宙哉 / モーニング
『働きマン』安野モヨコ / モーニング
『へうげもの』山田芳裕 / モーニング
『きのう何食べた?』よしながふみ / モーニング
『大きく振りかぶって』ひぐちアサ / アフタヌーン
『ヒストリエ』岩明均 / アフタヌーン
『ヴィンランド・サガ』幸村誠 / アフタヌーン
『Gantz』奥浩哉 / ヤングジャンプ
『ハチワンダイバー』柴田ヨクサル / ヤングジャンプ
『おやすみプンプン』浅野いにお / ヤングサンデー
『3月のライオン』羽海野チカ / ヤングアニマル
『もやしもん』石川雅之 / イブニング
『Hunter×Hunter』富樫義博 / 少年ジャンプ
『ピューと吹く!ジャガー』うすた京介 / 少年ジャンプ
『竹光侍』松本大洋 / ビッグコミックスピリッツ
『キーチvs』新井英樹 / ビッグコミックスペリオール
『海獣の子供』五十嵐大介 / IKKI
『預言者ピッピ』地下沢中也 / コミックキュー