漫画レビューサイト:MANGAHEAD(マンガヘッド)Single Review_Kutsuo

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脂肪という名の服を着て / 安野モヨコ

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安野作品の中ではかなり病んでる部類の作品。
太ったOLの主人公が太っていることによる社会との軋轢と葛藤し、どんどん堕落していく物語。

社会の中には階層があります。
それは社長と平社員という分かりやすい上下関係だけじゃなく。
女性の社会にも曖昧だがそういった階層が存在します。
つまり、ハッキリ言ってしまうと「やせてて美しい女性」は「太っててブッサ〜な女」より社会的に優位に立っているように見えます。
うちの職場は、基本的に女性社会なんだけど、やっぱりキレイな看護婦さんがハバを利かせてるような気がするんよね。んでそういうヒトが率先してイジメをやってたりする(皆さん、看護婦さんだって同僚をイジメたりするんですよ!白衣の天使なんかじゃないですよ!)。
こういうのは男側にも問題があるんだろうなあ・・・。
かわいいからってチヤホヤすると、ますます見えない階級が上がって行くんですよね。

関係ないけど、先日先輩の送別会があって、二次会の会場の外でかわいい看護婦さん(階級が高い)と会場の案内をやってたんだけど、嫌いな看護婦さんが来ると「チッ・・・来んじゃねえよカスが・・・」とか「帰れよバカ・・・」って小声で吐き捨ててました。
酔ってて声が漏れてるのに気づいてなかったと思われますが、やっぱり女性は怖いですね。
ポンポンが痛くなりました。

fatpic1.jpgこのマンガでも、極端ではありますが、キレイな女性社員がハバを利かせ、太った女性や暗い女性がイジメられるという構図があります。
で、その構造から抜け出そうと吐きまくってやせようとするんだけど、やせたらやせたで今度は太ってるヒトをイジメたくなるという・・・。
全く女ってヤツは業が深いぜ・・・。

ま、僕としてはそんなにやせてる女性って好きじゃないんだけどね。
なんかガツガツしてそうだし、フィックスのときに骨が当たって痛いよね(何言ってんだオレは)。
ちょっとふっくらくらいが好きです。

いやー男でよかった。
太っててもイジメられないし。

ネコマジン / 鳥山明

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ドラゴンボールは未だに子供たちの間で大人気らしい。
甥っ子(妻の姉の子)たちが自慢げにドラゴンボールのカードをたくさん見せてくれるんだが、あーいうの僕も集めてたよなあ・・・。
どこいったんだろうなあ・・・。
 
そんなわけで、連載が終わってもひたすら売れ続けているドラゴンボールというモンスター作品を作ってしまった鳥山明は今どれくらい金持ちなんだろうか。
もはや僕の想像もつかないくらいの富を手にしていると思われるけれども、当然そうなると仕事なんか全くしなくていいわけで、多くのヒトの予想通りドラゴンボール以降、ほとんど作品を描かなくなってしまった。
『COWA』とか『カジカ』などの、そんなに悪くないんだけど、まあとりたてて褒めるところもない短編を気が向いたときに描いてるくらいで、もはや隠居に近い状態がずっと続いている。
このまま鳥山明は『ドラゴンボールの人』で終わってしまうのだろうか。
と思ってたところに興味深い作品を見つけた。
 
nekomajinpic.jpg『ネコマジン』は鳥山明が気が向いたときに描いた短編の一つで、まあすごく面白いというわけではないけれども、見所のある作品ではある。
これは鳥山明によるドラゴンボールのパロディマンガなんである。
カメハメ波みたいなのを打ったり、スーパーネコマジンに変身したり、フリーザの子供が出てきたり、とにかくムチャクチャなんである。
ドラゴンボールという自分の作った箱庭で、別のキャラクターを登場させて遊ばせているだけなんである。
しかしなかなか面白いんだなコレが。
おそらく読者が鳥山明に求めていた作品はコレなんだろうなー。
そして、それに鳥山明自身も気づいているという。
不幸なんだか幸福なんだか。
 
ま、これを読んでひとつハッキリしたことは、鳥山明がドラゴンボールを越えるような作品を今後描くことは100%ないということと、鳥山明自身ももはやそんなつもりはないということ。
まあここまで散々楽しませてもらったんだから、これ以上鳥山明に期待するというのはヤボなのかもしれませんね。
 
でもあのワンピースとのコラボだけはやめてほしかった。
あんな「ドラゴンボール・チルドレン」な3流マンガに迎合するなんて・・・。
 

最強伝説 黒沢 / 福本伸行

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ビッグコミックオリジナル / 小学館
2003年-2006年
全11巻
 
中年にはなりたくない。
そう思ってオレはこれまで生きてきた。
 
この世で最も悲惨な生き物、それが中年じゃないだろうか。
若者には蔑まれ、家族にも疎まれ、会社にはこき使われ・・・。
それでも何かのために生きている。
ああ、オレは中年にだけはなりたくない。
 
しかしオレももうすぐ30だ。
そろそろ中年と呼ばれてもおかしくない年頃だ。
つーか、体型だけでいうとすでにすっかり中年になってしまってるし。
ああ・・・オレはあれほどなりたくなかった中年になろうとしているのか・・・。
 
kurosawapic.jpg『最強伝説 黒沢』の前半は「惨めな中年」の話だ。
働けど働けど暮らしは楽にならず。
結婚もできず。
職場にも居場所がない。
唯一の楽しみは、仕事の帰りに立ち寄る居酒屋で一人で飲むこと。
 
「オレはオレの人生・・・やっちまった・・・」
 
という言葉は、このマンガの全てを表している。
しかし、こんなはずじゃなかった、もっと上手くやれたはず、というすごく後ろ向きなパワーが黒沢を狂気のオッサンに変えていく。
そして最後には本当にヒーローになってしまう。
 
これは日本の中年のためのバイブルであり、生きる礎となるべきマンガだ。
最後のホームレスが言う「胸を覆っていた不安・無力感」は、今の日本に生きる真っ当な中年なら誰もが抱えているものだろう。
うすた京介も言っていた。「心配するな、オレも不安だ」と。
その日本に生きる中年の抱えるアパシーに対する一つの答えが、この作品にはある。
ま、「狂気」っていう、身も蓋もない答えなんですが。
 
オレの黒沢の単行本の1巻には、リリーフランキーのサインが入っている。
そろそろオレも中年になる覚悟をしなければならない。
リリーさんのような、そして黒沢のような中年を目指して頑張っていきたいと思います。
 

西原理恵子の太腕繁盛記FX / 西原理恵子

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プロジェクトFX / インターネット配信
2007年- 
 
西原理恵子がFXポータルサイト「プロジェクトFX」で連載しているFX投資マンガ。
 
アップル株で儲けて調子こいたオレは今月からFXをやってるんだが、これがもう異常にハマる。
すっごい面白い。
もう今、朝6時から夜23時まで動物実験してるんだけど、その合間にほぼ1分間隔で相場をチェックしてるオレ。
で、家に帰って深夜1時過ぎまでチャートとにらみ合いよ。
夢でも「あー!売っとけばよかったー!」とか「スワップが・・・スワップが振り込まれてねーよ!」みらいなFX関連の夢ばかり。
病気ですわ。
も、病気ですわ。
5月から臨床に戻るんだけど、この状態で患者を診るのは非常に危険だ。
今から電気ショックをするというときに相場が気になってたんじゃ患者の命が危ない。
で、今のところは、始めて2日で5万負けて(FXって怖いよね☆)、今はデイトレで細々と稼いでトントンくらいまで戻してます。
 
fxpic3.gif西原はどうやら2007年からFXを始めて、これまで500万負けているらしいんだが、この負けっぷりがすごい。
特にサブプライムローン・ショック(いわゆるサブローショック)からの負けっぷりは壮絶であり、魔の3月17日(ついこないだの円高最高値をつけた日です)の悪夢で500万を失ったエピソードは最高に笑える。
マジで今年に入って一番笑った。
「落下鬼」ってなんだっていう。
このマンガはFX会社のための宣伝マンガなんだけど、こんなに損してる有様を克明に描いたマンガを読んで「よし、オレもFXやるぞ!」って誰も思わないよ。
 
 

夏目友人帳 / 緑川ゆき

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ララ / 白泉社
2005年-
1-5巻 
 
うおおおお!しまったー!
この『夏目友人帳』をマンガヘッドアワードにノミネートし損ねてしまった!
ああ・・・あと2週間前に読んでいれば・・・あるいはこの作品が大賞を取ったかもしれないのに・・・。
 
えーと、『マンガ直木賞』という企画をどこかでやってて、その中にこの作品もノミネートされてて、そこで知りました。
少女マンガだからちょっと腰が引けたけど、タイトルがが気になって読んでみたわけ。
だって『夏目友人帳』っていかにも面白そうな名前じゃん?
あ、ちなみにマンガ直木賞は結局『岳』が大賞を取ったようです。
まあ確かに『岳』も面白いけどさ・・・大賞か・・・うーむ。まあいいや。
 
natsumepic.jpgで、この『夏目友人帳』ですが、子供の頃から「妖(あやかし)」が見える主人公の夏目が、おばあちゃんの形見である妖怪との契約書「友人帳」を見つけてしまい、妖怪たちにつきまとわれるようになる、という話なんですが。
話の内容だけ聞くとつまんなそーなんですけど。
でも別に妖怪と戦ったりするわけじゃないんよね。
いろんな呪縛に苦しむ妖怪たちのカルマを主人公が解放してあげて、それに関わる周りの人々や主人公自身も浄化されていく、カルマの物語であり、喪失と再生の物語です(僕の大好物です)。
少女マンガかと思って最初は身構えてたけど、目がキラキラした感じのあーいう恋愛っぽい感じは全くないし、一話完結だからすごく読みやすい。ひとつひとつのエピソードもステキな話ばっかりだし。
いやーまいった。
けなすところがないじゃないか。
 
ニャンコ先生と主人公の関係からなんとなく『うしおととら』を思い出したんだけど、たぶん少年マンガでコレを描くとしたら『うしおととら』になって、少女マンガだと『夏目友人帳』になるんでしょうね。
『うしおととら』も好きだけど、僕はこっちの方がいいかな。
 

くつ王 プロフィール

くつ王 kutsuo

 
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くつ王
MANGAHEAD管理人。
1978年12月7日生まれの29歳。
某大学病院救命センターで働く医師。
好きなものは日本庭園とマッキントッシュ。
 
好きな漫画:
『青い車』よしもとよしとも
『ピンポン』松本大洋
『ヒミズ』古谷実
『ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹
『七夕の国』岩明均
aoikuruma.pngpingpong.pnghimizu.jpgworldismine.pngtanabataface.jpg 
 
追いかけてる連載中の漫画 
『宇宙兄弟』小山宙哉 / モーニング
『働きマン』安野モヨコ / モーニング
『へうげもの』山田芳裕 / モーニング
『きのう何食べた?』よしながふみ / モーニング
『大きく振りかぶって』ひぐちアサ / アフタヌーン
『ヒストリエ』岩明均 / アフタヌーン
『ヴィンランド・サガ』幸村誠 / アフタヌーン
『Gantz』奥浩哉 / ヤングジャンプ
『ハチワンダイバー』柴田ヨクサル / ヤングジャンプ
『おやすみプンプン』浅野いにお / ヤングサンデー
『3月のライオン』羽海野チカ / ヤングアニマル
『もやしもん』石川雅之 / イブニング
『Hunter×Hunter』富樫義博 / 少年ジャンプ
『ピューと吹く!ジャガー』うすた京介 / 少年ジャンプ
『竹光侍』松本大洋 / ビッグコミックスピリッツ
『キーチvs』新井英樹 / ビッグコミックスペリオール
『海獣の子供』五十嵐大介 / IKKI
『預言者ピッピ』地下沢中也 / コミックキュー