基本情報
滋賀県大津市
宗派:天台宗
創建:?
開基:?
作庭者:重森三玲
作庭年代:1956年
非公開
大きな地図で見る
紹介
全ての庭が公開されているわけではない。
「破格に素晴らしいけども、決して見ることが出来ない」という庭は存在する。
それも、かなりたくさん。
この事実を知ったとき、僕は愕然としてしまった。
庭というのは全ての人々に開かれているものであり、皆で鑑賞するものだと思っていたものだからして、まさか見ることのできない庭があるなんて思ってもみなかった。
それからしばらくは、眠れない夜が続いた(いやマジで)。
独占禁止法について調べてみて、非公開寺院がそれに当たらないか調べたりした(もちろん当たらなかった)。
庭というものは、全てのヒトに開かれるべきだと僕は思う(もちろん個人の家の庭まで見せろとは言いません。見たいけど)。
でも大徳寺のいくつかの塔頭の庭(聚光院や孤篷庵)、同じく妙心寺の塔頭の庭(東海庵)、東福寺龍吟庵など、公開されていない名庭は無数にある。
そして、京都だけでなく、日本各地の名庭もいつくつかは非公開であり、数多くの名庭を擁する大津市の坂本里坊も、そのほとんどは非公開になっている。
しかし、どうしても見たい・・・。
そんなとき、ヒトはどうするのか。
手紙を書くんである。
愛を紡ぐんである。
手紙はヒトとヒトとの伝統的なコミュニケーション・ツールであり、現代社会が失ってしまった暖かみがある。
オレは、庭への熱い思いを、大津市の坂本里坊の寺院である瑞応院に、そっとしたためた。
拝啓
突然のお手紙失礼いたします。
私、山口県で医師をしておりますくつ王と申します。
私は重森三玲先生の庭の大ファンなのですが、重森先生の作品集を読んでいて貴院の庭が載っているのを見つけました。
写真でも一目で名庭であると分かりました。
ぜひともこの目で拝見したいと思ったのですが、現在は拝観謝絶であることを知りました。
身勝手なお願いで申し訳ないのですが、どうか一目だけでも拝見させていただけないでしょうか。
決して長居はいたしません。
どうか宜しくお願いいたします。
とまあこんな具合に書くわけですな。
もちろん100%返事があるわけじゃなく、これで拝観させてもらえる可能性は僕の経験上半々くらいですが、ま、運が良ければ見せてもらえます。
瑞応院さんは、御丁寧にお返事をいただき、喜んで大津市まで伺わせていただきました(道楽よの)。
重森三玲の庭には珍しく、真ん中にゴツゴツした不格好な岩があるなあ、なんて罰当たりなことを一瞬思ったんですが、よく考えたらこの庭のテーマは「阿弥陀聖衆25菩薩来迎図」であり、真ん中の大きな岩が阿弥陀如来で、その周りに25の菩薩がいるんですね。
苔は仏様たちが乗る雲を表していると。
これはすごい。
庭はそれほど大きくなくてこじんまりとしてるんだけど、その中に広大な宇宙が広がっているぜ・・・滋賀まで来てよかった・・・。
ただ、使ってる岩がなんかちょっと「作り物感」があるんですよね。
重森三玲邸の庭にも言えることですが。
三玲邸の庭は阿波の岩を使ってると言ってたけど、これもそうかもしれないなあ(ただの妄想です)。
